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伊坂幸太郎『砂漠』

東西南北という方位を姓に冠した4人+1人の大学生たち。酒・麻雀・恋愛等々、何と言うこともないような、あるような日を過ごす中、ちょっとした事件に巻き込まれつつ、やっぱり何ということもなく、絵に描いたような大学生活は過ぎていく。


伊坂ファンの友人に薦められて読みました。「○○っていう名前の山田(仮名)くんみたいなやつが出てくるんだよ」と。ちなみに○○さんはサークルの先輩、山田くんはサークルの同期。読んでみた感想は・・・まぁ、確かにそうかも。笑
ミステリーではないのでからくりやどんでん返しはなく、むしろベタ。ベタの極致。小説としてのベタというよりか、大学生活のベタ、ですかね。森見登美彦的な。
けど、良いです。ちょっと感動、心温まります。運命的な出会いをした恋人が難病で死んじゃうけど最後まで愛し合うとか、犬が死ぬとか、そういう押し売り的な突き上げるような感動ではなく、さらにどこぞでおいしい食堂をやっているとかの可愛らしい、ほっこり系でもなく。何でしょう。ずっと生温い、何やったら生臭いけど、一瞬だけじわっと温かくてちょっと感動、みたいな。
小説としてみると地味な方だと思いますが、少し前まで大学生活のぬるま湯に浸かり社会人生活の荒波にもまだ揉まれてない身としては、非常にリアルで親近感が沸きます。ちょっとした事件といっても実生活でそんなこと起こったら大問題のレベル。その辺がすごくリアルです。


ちなみに伊坂さんは現在39歳だそうです。20年も前のことをこんなにリアルに書ける、おそらくそれほど当時感じたことを覚えているその感性と記憶力が羨ましい。大学生協の書店では大学生に薦めたい本第一位が『カラマーゾフの兄弟』だったけど、個人的にはこの『砂漠』、特に卒業前に読むことを薦めたいです。

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いつの間に作ったんだか、「読了」カテゴリなるものがあったので、せっかくならと使ってみました。「鑑賞」カテゴリに分類していた過去の記事も、本関係は移動させました。で、過去の記事を見ていたら「鑑賞」カテゴリで文章作成練習をしようとしていたらしい私…そうでしたっけ…

己の文才の無さや浅はかさを露呈する上余計な先入観を植え付けてしまうのが嫌であらすじとか細かい感想とかなるべく書かないようにしてましたが…それ練習にならんわな。ちょっと書いてみることにします。ネタバレは気をつけますが、あらすじさえも聞きたくない程の作品のタイトルが目に入ったら、そっと「戻る」ボタンを。笑

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有川浩『空の中』

上空2万メートルをテスト飛行中の飛行機が突然爆発、炎上。程なくして、訓練中の戦闘機が同じく爆発、炎上。同じころ地上では、ある少年が浜に打ち上げられた奇妙な生き物と出会う。空の中で何が起こったか?奇妙な生き物の正体とは??

作者の名前知らない、作品名も聞いたことない、私はハッケンくんストラップが欲しいだけです!と衝動買いした本。
しかしこれが大当たりでした。途方もない設定ながらぐいぐい引き込まれました。
所々ややライトノベル風だなと思ったら、作者の有川さんはもともとライトノベルレーベルからデビューなさったのだそうな。一気に甘酸っぱさ全開になる箇所がありますが、たまにはこんなんもありかと(笑)最近込み上げていた、無性に少女マンガ読みたいぞ!という渇望が満たされました。
そして随所に登場する土佐弁が癖になります。したがって、今私が土佐弁萌えなのは福山龍馬ブームのせいではありません、悪しからず。西日本の訛り好きです。東日本の訛りはよく知りません。おもひでぽろぽろのギバちゃんくらいでしょうか。あれも好きです。ていうかギバちゃんが好きです。かっちょいい!
閑話休題。本編を読み終えてやたらページが残っているので、あとがきあるいは解説がえらく充実しているのだろうかと思いきや(そんなわけないか)、あとがきを挟んで掌編が続いていました。そのタイトルと冒頭の設定から、大体の予測はつきましたが…それでもなー予想通りの反応しかできんよなー。お陰で瞼が今保冷剤の世話になっています。明日朝からアリエッティ観に行くのに…何やかんやであと4時間半後までに就寝起床しないといけないのだが、この私がそんな短時間睡眠で上映中耐えられるだろうか?ねえ?

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湊かなえ『告白』

クリア済みのDSを置き、てんで進まない文庫本を置き去りにし、腕時計と携帯を忘れて出かけてしまい(!)ギリギリ音楽プレイヤーだけは持っていたのだが、電車の中でどうしようかと思うくらい手持ち無沙汰だった。こういうときに限って眠くもならない。
絶えかねて、帰りの電車対策に本を買うことに。ふらりと書店に入ると、『四畳半神話体系』と『告白』がこれでもかと並べられていた。あれこれ物色するのも面倒だったしどっちも興味を引かれたので、何ということもなく『告白』を手に取りレジへ。というのが読むに至った顛末。
最近話題のこの小説、中学校で教師をしていた女性が、教職を辞任する最後の日に「自分の娘はこのクラスの生徒に殺された」と“告白”するところから始まる。

これ読んだ友達がしばらく牛乳飲めなくなるホラー(笑)と言ってた。確かに・・・
続きが気になってどかどか読んでしまったけど、内容としては結構きっついです。少なくとも食事前に薦められる本ではない。でも読んでしまった。

あとがきにはメガホンを取った中島哲也監督のインタビューが載ってて、ちょっと映画見たくなりました。下妻や嫌われ松子とは作り方がほぼ間逆?になっているようなので、どんななってるか気になる。

ひとことで言うと気になる小説。かもしれません。

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タイトルパロディ飽きてきたので、しばし休憩。笑

帰省中やることもないので(そんなはずはないはずなんですが)、徒歩5分の図書館で本を借りてきました。

ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』

久しぶりに、ごっついのに当たったと思いました。エンデの『モモ』もいいですがこちらもすごいです。何この深さ!?児童文学好きなので、子ども向けだからって馬鹿にするもんじゃないという意識は当然のごとくありましたが、それでいてすら驚くほど含蓄があるというか、濃いというか、深いというか、何とでも言えますな。
全7作の某魔法使い少年の物語も現在進行形で読んでましてこちらもエンターテインメントとしてはとても面白いと思いますが、正直比べ物にならんです。20代半ばにして自分が生まれる前に書かれた物語と出会い、今まで読んだ何よりおもしろく新しいと感じるなんて、そんな経験をこの歳になってするなんて、なんという衝撃・・・

2009年鑑賞したものに順位をつけるとするなら、1位間違いなしと思われます。

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桐野夏生『魂萌え!』

ドラマ化・映画化ともにされてるようですが小説読みました。
多分、こういうの読めるようになったのは大人に近づいた証やなあと思う。高校生くらいの頃ならまだおもしろいと思えなかったんじゃないかなあ。今でも、すごい好き!!ってわけじゃないけど割りと好き嫌いなく読めるようになった。作家にも良い意味でこだわらなくなったのはかなり最近。食に関する嗜好の変化と似てるかも。カレイの煮付けをおいしく食べられるようになった感じです。

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