とろ火 とろとろ
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お正月休みなので実家に帰っています。
テレビでがんがん寿司を食べるギャル曽根ちゃんを見て
「あ~、寿司うまそ~」
と呟いたところ、母が回らない寿司を食べさせてやると言い出した。私のお坊ちゃま育ちの後輩(大学生)に『回る寿司など食べたことがない』と豪語しているやつがいたが、私にとっては 回らない寿司=スーパーで買うパック寿司(!)・・・
そんなわけで、帰省最後の夜は家族四人で寿司屋に行くことになった。
回らない寿司屋だから、自分で食べたいものをシャウトしないといけないわけだ。「言う」?いいえ、シャウトです。店内は私の「回らない寿司屋のイメージ」と違って結構騒がしく、私は慣れない環境にかなりびびっていた。びびると声が小さくなるのでシャウトするくらいの意気でなければ聞き取ってもらえないこと請け合いである。
最初にえびを頼もうと思いつつもなかなかタイミングがつかめず、間をつなぐためにお茶を飲んだりメニューを見たり・・・。業を煮やした母が
「じゃあトロ、四人前」
トロ!?
トロ。それは高級寿司の代名詞。寿司界に君臨する寿司の王様。ラスボス。ラスボスが最初に登場してはいけないのである。でも一度注文したものを撤回する勇気もなく、母に文句を言う勇気もなく、黙って食べる。トロ。
うま~

ほんとにトロッとしてました。
ペースを乱されたが気を取り直して今度こそえびを頼もうと思ったが、またしてももじもじとお茶ばかり飲んでしまった。隣りで似たような状況に陥っている人がいた。祖母である。彼女も恐らく注文するのに大声を張り上げるのが気恥ずかしかったのだろうか。それとも本当に注文するものを迷っていたのか。二人してもじもじしているうちに、両端に座る父母はガンガン寿司を食べる。いつまでももじもじしていても仕方ないので、お祖母ちゃんのためだと思い切って注文してみた。
えびうま~

2~3分かそこらは美味しい寿司を堪能し至福の一時だったものの、食べ終わってはまた針のムシロタイムである。次はさけ。か、まぐろ。ほたてもいいなあ。と、食べたいものはあるが言うのが恥ずかしく、えびの余韻にひたるふりをしてお茶を口に含む。お祖母ちゃんが食べ終わるタイミングを見計らってまた二人分、まとめて頼む。不思議なものでお祖母ちゃんが一緒だとちょっと勇気がわいて注文できる。どうやら私は個人戦には向いていないらしい。
やっとの思いでトロ、えび、まぐろ、さけと四つのネタを味わい、気づいてみると異常な早さだがすでに満腹してしまっていた。それはなぜか。
腹を満たすにはネタをシャウトするという関門をくぐらねばならず、その緊張のあまり胸がいっぱいになってしまったのと、間をもたせるためにお茶を飲みすぎたのが原因だった。あまりにチキンハートだ。何て情けないんだろう。
せっかく回らない寿司屋に来たのだから、せめてあとほたてを食べて終わりたいと思う反面、私はすでに疲れきっていた。もう満身創痍だった。果敢にも、四度も戦いをこなしたのである。もう十分ではないか。いや~でもほたて。ほたてうまそうよ。一人悶々としながら、無意識にまたお茶を飲んでしまう。
すると母が一言、
「もう食べへんの?ほたてとかどう?」
宿題をやろうとしていたときにやれと言われたら絶対に2~3時間は取りかからない小学生だった私である。ほたてへの戦意は粉々に砕け散った。あとはひたすらお茶を飲んでごまかした。お茶だっていつもよりおいしいさ。ずいぶん濃い抹茶色だなーこのお茶。んん渋い。うまい。などと、ほたてを前に尻尾を巻いて逃げ出した自分を慰め、正当化した。
たらふく好きなネタを注文して満足げな父母とは対照的に、私は意気消沈して店を出た。さようなら、憧れの回らない寿司屋。ああ疲れた。
食べながら、というかお茶を飲みながら、何で回転寿司が生まれ、はやるようになったのか分かった気がしました。好きなネタを寿司職人のおっちゃんに言うというただそれだけのことで、こんなに気力を消耗するとは。値段のことを考えに入れなくても、回る寿司の方がずっと気楽です。私には合いませんでした、回らない寿司屋。ノミの心臓ユーザーであれば注文しすぎることがなく、お会計では心臓麻痺を起こす心配がない、という意味では良いかも知れませんが。
どれもおいしかったとは言え、たった4皿で私の胃袋が本当に満たされるはずもなく。腹の虫が泣き喚く深夜1時半。侘しや~。
「あ~、寿司うまそ~」
と呟いたところ、母が回らない寿司を食べさせてやると言い出した。私のお坊ちゃま育ちの後輩(大学生)に『回る寿司など食べたことがない』と豪語しているやつがいたが、私にとっては 回らない寿司=スーパーで買うパック寿司(!)・・・
そんなわけで、帰省最後の夜は家族四人で寿司屋に行くことになった。
回らない寿司屋だから、自分で食べたいものをシャウトしないといけないわけだ。「言う」?いいえ、シャウトです。店内は私の「回らない寿司屋のイメージ」と違って結構騒がしく、私は慣れない環境にかなりびびっていた。びびると声が小さくなるのでシャウトするくらいの意気でなければ聞き取ってもらえないこと請け合いである。
最初にえびを頼もうと思いつつもなかなかタイミングがつかめず、間をつなぐためにお茶を飲んだりメニューを見たり・・・。業を煮やした母が
「じゃあトロ、四人前」
トロ!?
トロ。それは高級寿司の代名詞。寿司界に君臨する寿司の王様。ラスボス。ラスボスが最初に登場してはいけないのである。でも一度注文したものを撤回する勇気もなく、母に文句を言う勇気もなく、黙って食べる。トロ。
うま~


ほんとにトロッとしてました。
ペースを乱されたが気を取り直して今度こそえびを頼もうと思ったが、またしてももじもじとお茶ばかり飲んでしまった。隣りで似たような状況に陥っている人がいた。祖母である。彼女も恐らく注文するのに大声を張り上げるのが気恥ずかしかったのだろうか。それとも本当に注文するものを迷っていたのか。二人してもじもじしているうちに、両端に座る父母はガンガン寿司を食べる。いつまでももじもじしていても仕方ないので、お祖母ちゃんのためだと思い切って注文してみた。
えびうま~


2~3分かそこらは美味しい寿司を堪能し至福の一時だったものの、食べ終わってはまた針のムシロタイムである。次はさけ。か、まぐろ。ほたてもいいなあ。と、食べたいものはあるが言うのが恥ずかしく、えびの余韻にひたるふりをしてお茶を口に含む。お祖母ちゃんが食べ終わるタイミングを見計らってまた二人分、まとめて頼む。不思議なものでお祖母ちゃんが一緒だとちょっと勇気がわいて注文できる。どうやら私は個人戦には向いていないらしい。
やっとの思いでトロ、えび、まぐろ、さけと四つのネタを味わい、気づいてみると異常な早さだがすでに満腹してしまっていた。それはなぜか。
腹を満たすにはネタをシャウトするという関門をくぐらねばならず、その緊張のあまり胸がいっぱいになってしまったのと、間をもたせるためにお茶を飲みすぎたのが原因だった。あまりにチキンハートだ。何て情けないんだろう。
せっかく回らない寿司屋に来たのだから、せめてあとほたてを食べて終わりたいと思う反面、私はすでに疲れきっていた。もう満身創痍だった。果敢にも、四度も戦いをこなしたのである。もう十分ではないか。いや~でもほたて。ほたてうまそうよ。一人悶々としながら、無意識にまたお茶を飲んでしまう。
すると母が一言、
「もう食べへんの?ほたてとかどう?」
宿題をやろうとしていたときにやれと言われたら絶対に2~3時間は取りかからない小学生だった私である。ほたてへの戦意は粉々に砕け散った。あとはひたすらお茶を飲んでごまかした。お茶だっていつもよりおいしいさ。ずいぶん濃い抹茶色だなーこのお茶。んん渋い。うまい。などと、ほたてを前に尻尾を巻いて逃げ出した自分を慰め、正当化した。
たらふく好きなネタを注文して満足げな父母とは対照的に、私は意気消沈して店を出た。さようなら、憧れの回らない寿司屋。ああ疲れた。
食べながら、というかお茶を飲みながら、何で回転寿司が生まれ、はやるようになったのか分かった気がしました。好きなネタを寿司職人のおっちゃんに言うというただそれだけのことで、こんなに気力を消耗するとは。値段のことを考えに入れなくても、回る寿司の方がずっと気楽です。私には合いませんでした、回らない寿司屋。ノミの心臓ユーザーであれば注文しすぎることがなく、お会計では心臓麻痺を起こす心配がない、という意味では良いかも知れませんが。
どれもおいしかったとは言え、たった4皿で私の胃袋が本当に満たされるはずもなく。腹の虫が泣き喚く深夜1時半。侘しや~。
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